私たちの時代に続いて六番目の文化期がやってきますが、その文化期のことを想像してみて下さい。霊的世界の源泉から汲みとられるものが、独立して自由になった人間の魂と結びつかないとしたら、どのようなことが起こるでしょうか?

 

人類進化における個人の(発達終了)年齢は、21年目から14年目に相当するようになります。30歳、40歳、50歳と年を重ねていっても、自身の内に火を灯して発達を続けていかなかったとしたら、中身は17歳、16歳、15歳のままになるのです。

 

人類進化にとって重要なことは「地球の進化が進めば進むほど、人類の進歩は人間自身の手に委ねられるようになる」ということです。しかし、もしこの「人類の進歩が人間自身の手に委ねられる」ということが認識されないとどうなるでしょうか?

 

早発性痴呆症(現在は「統合失調症」と呼ばれている)が、まん延するのです。ですから、地球という存在の深部を見つめ、人類を脅かしているものが何であるかに気づくことが必要だとおわかり頂けるでしょう。

 

今日、外的には多くの勇気ある行為がなされており、それはもちろん高く評価されるべきことです。しかし、人類が、これからの進化過程で必要とするのは、魂の勇気です。つまり、最初は喜ばしくない不快なものに感じられたとしても、真実に向かう勇気です。

 

人生に快適さや喜びだけを求め、自分を言わば「高揚させる」ような知識だけを聞きたいと願うならば、そうした真理を不快に感じるでしょう。そのような人は楽しい真実を求めたがるものだからです。おそらくそうした状況が、現在非常に広く行き渡っています。

 

たとえ必要なことであったとしても、誰かがあなたに快くない真理を語った途端、あなたはその人を愛せなくなるのです。その人が自分をひどく苦しめる、自分を高揚させてくれない、と思うからです。

 

しかし真理は、口なめらかに流れ出て、清涼剤のように持ち帰ることのできる言葉などよりも気高いものなのです。それよりも気高いのは、知識から得られる満足感です。安易な快適さではなく、真理と必然性の中に生きることに根差した知識から、そうした満足感は得られます。

 

ルドルフ シュタイナー『人間発達論 バイオグラフィーワークの背景』

27歳と人類の意識の進化 人類進化の様々な側面 第1講

内村真澄 訳

 

#認知的不協和

「人びとは時々、核となる非常に強い信念を持つことがあります。その信念に反する証拠を提示されたとき、その新しい証拠は受け入れられません。認知的不協和と呼ばれる、非常に不快な感情を引き起こすのです。そして核となる信念を守ることが非常に重要であるため、彼らはその核となる信念に合致しないものを合理化し無視し、さらには否定するでしょう。」